「火山噴出物の放出に伴う災害の軽減に関する総合的研究」(研究代表者:井口正人,研究期間:2014年3月~2019年2月)の中の課題の一つに「火山灰移動モデルの高度化と予測」研究があり,その中で、航空機の安全運航のために大気中の火山灰密度を評価・予測する「火山灰早期警戒システム」を開発している。
「火山噴出物の放出に伴う災害の軽減に関する総合的研究(Integrated Study on Mitigation of Multimodal Disasters Caused by Ejection of Volcanic Puroducts)」は「地球規模課題対応国際科学協力プログラム(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development Program:SATREPS)」に選定された研究プロジェクトの一つで次の目的と研究課題がある。
127の活火山があるインドネシアは、国土が火山噴出物とその侵食による土砂でおおわれており、火山噴出による火砕流や土石流、斜面崩壊などが同時に起こる複合的な土砂災害の危険性が高い。そこで、火山観測データから見積もられる火山灰などの噴出速度と気象や河川流域観測データに基づいて、複雑な土砂の移動を統合的にシュミレートする技術を開発する。また、航空機の安全運航のために大気中の火山灰密度を評価・予測する。これらの技術を統合した災害対策のための支援システムを構築し、既存の警戒避難システムや土砂災害対策システムへ地理情報システムを介して情報提供する技術を開発する。
研究課題1(グループ1):総合観測システムの開発
1.1 山噴火予測とリアルタイム評価のための観測システム開発
1.2 土砂災害予測のための観測システム開発
1.3 雨雲・火山灰雲検知のためのレーダー観測システム開発
研究課題2(グループ2):噴出率予測とリアルタイム評価
2.1 データベース構築に基づく火山活動推移モデルの構築
2.2 火山灰噴出率予測モデルの構築
研究課題3(グループ3):土砂移動現象のモデル化と予測
3.1 土砂移動現象のモデル化と予測
3.2 統合GIS 複合土砂災害シミュレータの開発
研究課題4(グループ4):火山灰移動モデルの高度化と予測
4.1 火山灰移動モデルの高度化と予測
4.2 火山灰早期警戒システムの開発
研究課題5(グループ5):複合土砂災害対策意思決定支援システムへの統合
5.1 サブシステム(コンポーネント1~4)の統合化
5.2 複合土砂災害対策意思決定支援システムの利活用推進活動